ハノイのバーディン区リンラン通りに11月14日、日本流の弁当店「HOT TOT(ほっと とっと)」(44 Linh Lang, Cong Vi, Ba Dinh, Ha Noi)がオープンした。
日本人の料理人が日本の味を再現しながら調理した弁当を提供する同店。「作り置きをせず、注文が入ってから作るので、いつもできたてで温かい」と店主の工藤高久さん。「TOT」はベトナム語の「良い」で、店名は「温かく、良質でおいしい」を意味する。
食材は工藤さん自ら市場に足を運び選んでいる。「特にごはんは日本の食卓で好まれる食感にこだわっている。デミグラスソースやタルタルソースも既製品に頼らず、一から手作りしている」とも。
「ベトナムに日本料理店は数あるが、日本の味を再現している店は少ない。また日本の弁当はとにかく値段が高い。もっとリーズナブルに提供できるはず」との思いから、コロナ禍でのテークアウト需要増も受けて開業に至った。「リンラン周辺は特に日本人が多く居住し、その大半が日本の味に飢えている。この状況を打破したい」と話す。
弁当メニューは、のりを敷いたご飯の上に唐揚げ・磯辺揚げ・揚げ物・卵焼き・きんぴらや、タルタルをのせた白身魚を盛り合わせた「特海苔タル弁当」(8万ドン)、チリソースとの相性がいいという唐揚げを詰めた一番人気の「唐揚げ弁当」(6万5,000ドン)、手作りのデミグラスソースで仕上げた「デミハンバーグ弁当」(8万5,000ドン)、オーダー数は最も多いという「豚汁」(1万ドン)など。
工藤さんは「定期的にメニューを入れ替えて、常連を飽きさせない工夫をしている。今後は弁当の種類を増やしながら、ベトナムでは比較的高い総菜や練り物、漬物などのサイドメニューも加えていきたい」と話す。「日本食が恋しくなったら、また日本食を食べたことがない人は最初の入り口として利用してほしい。忙しかったり、疲れていたりして料理を作るのが面倒なとき、思い出してもらえれば」とも。
営業時間は10時~22時。