3月にオンラインで公開された無料の日本語教材「いろどり 生活の日本語」の説明会を、国際交流基金がベトナム各地で開いている。
ハノイでは国際交流基金ベトナム日本文化交流センターですでに2回開催し、フエやホーチミンでも1回目を開いた。
専用サイトからPDFや音声ファイルをダウンロードできる同教材。主に「日本で生活、就労することを目的に勉強する学習者が対象」と、同基金・日本語専門家の足立健治さん。「ハノイは技能実習生の送出機関や民間の語学センターの数が他と比べても特に多い地域なので、まずはハノイで開催した」と話す。
教材は「よく使われている日本語の教科書とは異なる特徴があるため、その特徴を理解してもらい、より効果的に使ってもらうことが説明会の目的の一つ」とも。主な対象はベトナムで日本語を教える教師で、会場では実際に「いろどり」を使った模擬授業も体験してもらう。
教材のコンセプトに「生活日本語Can-do」がある。「習った日本語の文法、言葉を学習者がいつ、どこで、誰と使うのか」という場面を考え、その場面でコミュニケーションができることを重視する。「いろどり」は「この考え方で作られているため、参加者にはまず『生活日本語Can-do』の考え方を理解してもらう」という。
さらに自分で「Can-do」項目が考えられる練習を行う。まず参加者に「日本で働く、生活するときに日本語でできなければならないこと」を考えてもらい、例を出してもらう。そこで「仕事の専門用語」という例が出れば、それを「生活日本語Can-do」の考え方に合わせて、どう変えればいいかを参加者に考えてもらう。「仕事の専門用語」の例では「会社の日報に書かれた基本的な専門用語を読んで理解できる」など具体的な場面、課題が設定できるようになることが目標となる。
足立さんは「模擬授業を体験した参加者から、授業の内容について多くの意見をもらった。それを参考に、ベトナムに合った『いろどり』の使い方を模索していきたい」と話す。
今後も月1回ほど開いていく予定。8月からはオンラインでの説明会も予定する。